家づくりにおいて、工務店選びはマイホームの完成度や満足度を左右する非常に重要な要素です。しかし、工務店の数は多いため「どこに依頼すればいいか分からない」と困ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、自身に合った工務店の選び方や選ぶ際のポイントについて解説します。興味のある方は、ぜひご一読ください。
工務店を選ぶメリットとは
家づくりを業者に依頼する際には、大きく分けて「工務店」「ハウスメーカー」「設計事務所」の3通りの選択肢があります。
それぞれの業者に異なる利点や強みがあり、工務店はほかの業者と比較すると「デザイン・間取りの自由度が高い」「地域密着型ならではの親身な対応」「適正価格で家づくりができる」などのメリットが挙げられます。
上記のような強みがあることから、工務店は間取りや内装などにこだわった家を建てたいという方や、その土地や風土に適した暮らしがしたいという方におすすめです。
工務店を選ぶときのチェックポイント
住宅展示場だけで判断するのはNG?
注文住宅を購入する際、住宅展示場やモデルハウスを見学して判断する方は少なくありません。というのも、見学することで家のイメージが湧きやすくなり、より理想に近いマイホームが建てられるからです。
一方で「宣伝のために建てられた家」ということもきちんと理解しておかなければいけません。図面の確認や担当者のプランニング力などもあわせてチェックしておきましょう。
実際のサイズとは異なる
一般的に、住宅展示場で見られる家は、実際の家より大きく建てられているケースがほとんどです。
あくまで宣伝用に建てられているので、室内も広々としており、生活動線もきちんとしています。「住んでみたい」を形にしているのが住宅展示場ですから、リアルサイズとは違うことを理解しておきましょう。
もし住宅展示場で見た家の間取り・デザイン・設備を参考にしたい場合は、プランニングの際に担当者に伝えておくと、限られた広さで理想の家づくりを提案してくれます。
資料請求をする
住宅展示場だけにこだわらず、インターネットや資料請求など、さまざまな情報を収集することも大切です。どんなに魅力的な外観・間取り・設備でも、施工レベルが低いと安心してお任せできません。
また、完成後に不具合が生じる可能性もあるため、ひとつの情報だけで判断してしまうのは危険です。まずは資料請求をし、どんな家づくりを行っているのか隅々までチェックしましょう。
提案力と技術力が高い
工務店を選ぶうえで、技術力の高さも欠かせません。技術力の高さは安全性にも大きく関係するため、より入念に確認する必要があります。
有資格者のスタッフがいるのはもちろんですが、過去の施工事例や施工の流れを写真付きで掲載しているなど、技術力がわかる情報を発信しているかもチェックしておきましょう。可能であれば、オーナーに実体験を聴いてみるのもおすすめです。
担当者の人柄
担当者の人柄も、工務店の良し悪しを判断するうえで重要になります。とくにチェックしておきたいのは、担当者もマイホーム購入の経験があるかどうかや、デメリットの説明がきちんとあるかといった部分です。
マイホームを購入した経験がなければ担当者としてNGというわけではありませんが、経験があることで、同じ目線に寄り添った対応や的確な提案が期待できます。さらに、過去の提案実績があるとより安心して相談できます。
また、身だしなみも提案面に現れるため、清潔感のある格好・ヘアスタイルをしているかもチェックしましょう。
着工後に変更できるか確認する
変更内容によっては、着工後でも対応してくれます。しかし、なかには変更ができない工務店もあるので注意が必要です。安心してお任せするなら、やはりきちんと対応してくれるところがおすすめでしょう。
追加請求がある場合も
着工後の変更は可能でも、工期が延びたり、追加料金が発生したりする場合があります。とくに大手の会社は変更がむずかしいため、万が一に備えてしっかり確認しておきましょう。
もし追加料金が発生する場合は、どれくらいの費用になるかも聞いておくと安心です。ただし、主要部分の変更はできないので注意してください。
確認しておきたい項目
先ほども述べたように、主要部分の変更は不可能です。そのため、変更できる工務店でも、場所によっては対応してもらえない場合があります。
着工後の変更が可能な場所は、窓の位置/大きさ・壁紙・コンセントなどが挙げられます。追加費用は内容によって異なり、なかには費用が発生しないところも存在します。子どもの入学式や夫の転勤を理由にマイホームを購入する場合は、工期もしっかり確認しておきましょう。
保証やアフターサポートが充実している
引き渡し後も安心して住み続けるためにも、保証やアフターサポートの内容もチェックしておきましょう。内容が充実しているほど、万が一トラブルがあった場合でも安心です。
長期保証があると安心
メーカー保証に加え、各工務店が設定している保証期間があります。どれくらいの期間を設けているかは工務店によって異なりますが、長いほど安心して住めます。
一般的に、新築住宅には「住宅品質確保促進法」が定められており、10年間はメーカーが保証してくれます。期間中はメーカー側が負担してくれるので、万が一建物に欠陥があった場合は無償で修繕や補修を行います。
10年目以降は、工務店が設定した期間のみ保証してくれることになります。ただし、有償になる場合が多いので、利用する際は注意してください。
24時間365日対応のコールセンター
給湯器の故障や水漏れなど、些細なトラブルにも対応してくれる24時間態勢のコールセンターがあるとより安心です。状況の確認から修理の手配まで、専門スタッフがしっかり請け負ってくれるでしょう。
定期点検・メンテナンスあり
長く安心して住まうためには、定期点検やメンテナンスも欠かせません。新築なら、半年・1年・2年・5年と点検・メンテナンスを行い、不具合があればその都度修理します。
時期や頻度は工務店によってさまざまですが、できるだけこまめに点検・メンテナンスしてくれるところを選びましょう。ほかにも、独自のアフターサービスを導入している工務店もおすすめです。
ほか店を検討したくなったらどうすればいいの?
家づくりについて実際に工務店に相談してみると、担当者と相性が合わない、イメージと違ったなどの理由でほか店を検討したくなることも考えられます。
しかし、このような場合、時間を割いてもらった工務店側に気を使ってしまい、相談中の提案を断わりづらいと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、相談中に依頼者に断られるケースについては少なくなく、工務店側も慣れているため「ほか店を検討したい」と少しでも感じた場合には、遠慮せず一度しっかりと提案を断るようにしましょう。
家づくりは人生における一大イベントの一つであり、莫大な費用と時間もかかるため、相手に流されず自分の意志や考えをしっかりと持つことが大切です。そのため、何か違和感や自分と考えが異なる点などがある場合には、その旨をはっきりと工務店側に伝えるようにしましょう。
まとめ
この記事では、工務店を選ぶメリットや選ぶ際のポイント、ほか店を検討したくなった時の対処法について一挙に解説しました。工務店に施工を依頼することで、自由度の高いマイホームを、ほかの業者で頼むよりも安価なコストで作ってもらうことができるため、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、優良な工務店に施工を依頼してみてください。
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